誰が”凶暴”か?

今から一年前のはなしです。
France10が、主要な野党の代表、党幹部に同じ質問をしました。
【日本には、日本領内での個別的自衛権の行使で発生する国際人道法の重大な違反(戦争犯罪)を起訴する法整備がないばかりではなく、海外での一般過失を裁く法整備もないのに、他国と地位協定を結んで裁判権を放棄させ駐留し、防衛出動もできる実態がある。例えば、今ジブチで自衛隊機が住宅地に墜落し死傷者が出すようなことを全く想定していない。この問題をどう思うか?】

①立憲民主党は、実態として、それが非常に深刻な問題とわかっていても(ここが重要です)、法整備をするかしないか、枝野さんと福山さんの間でも意見が別れ曖昧。平成期に最も自衛隊を海外に送った旧民主党政権の時には考えなかったのか。頭を抱えたくなる能天気です。

②民進党の大塚さんは、日本の法整備の空白を認識しつつも「事故を起こさないという想定に立つ」という、もし今ジブチの国民や野党に聞かせたら、外交問題に発展しかねない発言です。「想定外」。たぶん、ほとんどの日本国民、特に護憲派の意識を代表していると思いますが、一般国民には見えない国の未来を見据えるべき政治家としての資質が問われます。

③日本共産党の志位さんは、防衛出動の場面で自衛隊があらゆる手段を使って戦うことをしっかり想定すると明言(ここが重要です)。しかし、それは「非常時のことだから法整備は要らない」と。非常時のことを想定するから法整備するのですが。これって、日本に攻めて来たらジュネーブ条約なんて全く気にせずに血祭りにするぞ!って言っているようなもので、これを高らかに宣言したら、ある意味、最強の抑止力になるかも知れませんが、欧米の極右政党が言いそうな野蛮なセリフです。このやりとりは、このリンクに残っています。
https://youtu.be/OO5mLMqkq1c?t=4417
後日、会場にいた外国人特派員の友人の一人が「戦慄した」と言っていました。

④当時の自由党の二人の代表は割れます。小沢さんは、軍司法を整備し国連に指揮権を譲渡せよと。国連常備軍のことと思われますが「待機軍」の構想さえ実現していないので夢想のレベルです。他方、山本さんは、「現行の憲法を変えないで法整備する可能性を言っていて」、護憲派の立場でも国際法に対する誠実で明確な態度が読み取れます。

⑤当時の希望の党の玉木さんは、この問題は現在、ジブチ国民に対する「人権問題」をつくっていること。同時に、この根源は9条2項の問題であるとしっかり認識しています。

以上、平和を希求する国際法への確信犯的な冒涜は、大塚耕平さん、そして最も凶暴なのは志位和夫さん。
何が何だかわからないのは、枝野幸男さん、福山哲郎さん、小沢一郎さん。
国際法に準拠した明確な問題意識があるのは、山本太郎さん(護憲派)、玉木雄一郎さん(改憲派)ということになります。

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